住宅ローン 借り方と繰上返済の新常識 本文へジャンプ
繰上返済:期間短縮型と返済額軽減型


 住宅ローンは、月々の決まった返済以外に、一部を任意に返済することが出来ます。これを「繰上返済」と言います。

 毎月の利息は、毎月の返済額の中で精算されているので、繰上返済は、全て元金部分の返済に充当されます。このため、繰上返済した元金にかかる利息分をカットできることになります。
(※毎月の返済日以外でも繰上返済できる金融機関もあり、その場合には「経過利息」という利息精算が発生することがありますが、ここではその説明は省略します。なお、経過利息の支払いは損をするわけではありません。)

 繰上返済の方法には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類あります。
 期間短縮型は、毎月の返済額は変更せずに、完済期日を前倒しする方法です。
 返済額圧縮型は、完済期日は変更せずに、毎月の返済額を減らす方法です。

 繰上返済を1回だけ行う場合、期間短縮型で行った方が総返済額を小さく(=利息軽減効果を大きく)できます。

  期間短縮型 返済額軽減型
毎月返済額 変わらない 小さくなる
返済期間 短くなる 変わらない
総返済額 より小さくなる 小さくなる
※上記は繰上返済を1回だけ行った場合。

具体例(2000万円、3.0%全期間固定金利、35年、元利均等返済、10年後に100万円繰上返済)
  (繰上返済なし) 期間短縮型 返済額軽減型
当初返済額 76,970円 76,970円 76,970円
繰上後返済額 76,970円 76,970円
(変わらない)
72,217円
(小さくなる)
返済期間 35年 32年10ヶ月
(短くなる)
35年
(変わらない)
総返済額 3,233万円 3,127万円 3,191万円
利息軽減効果 106万円 42万円
※上記は繰上返済を1回だけ行った場合。

(2000万円、3.0%全期間固定金利、35年、元利均等返済、繰上返済なし)


(2000万円、3.0%全期間固定金利、35年、元利均等返済、10年後に100万円を期間短縮型で繰上返済)

繰上返済で期間が短縮される。毎月の返済額は変わらない。

(2000万円、3.0%全期間固定金利、35年、元利均等返済、10年後に100万円を返済額軽減型で繰上返済)

繰上返済で毎月の返済額が小さくなる。完済期日は変わらない。